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カウンセラー名: 島田義也
 
 
 
 

ノウハウ活かし事業転換
(有)島田教育総合研究所 代表取締役  島田義也


 
倒産危機、幾多の障害を熱心な研究の積み重ねと営業力で払拭

会社DATA
会社名 佐藤水産研究所( 仮名)
所在地 埼玉県
代表 佐藤清人( 仮名)
業種 養魚用飼料の研究開発ならびに製造販売、養殖経営のコンサルテーション
資本金 5,000 万円
従業員 30人
設立 1931 年( 現業種で新たに設立したのは平成2年)
現社長の代表就任 平成2年

業界全体が斜陽にこのままでは事業継続は不可能に
佐藤水産研究所の母体となる会社は昭和6年に佐藤社長の祖父が創業した。業種は染め物糊のりの製造・販売業である。

佐藤社長は昭和50年、25才で同社に入社し、後継経営者( 3代目) となるべく日々邁進していたが、佐藤社長の入社からしばらくして業界全体で染め物糊の需要が毎年一割ずつ落ちていくような状態となり、廃業する同業者も目立つようになった。
佐藤社長の会社も例外ではなく、毎年売り上げが下がっていった。

「このままでは家業をたたまなければならない」という危機感のなか、先代( 現社長の父) とも相談し、新規の事業に打って出ることを決意したのである。
現在の設備・ノウハウを活かし新規分野へ進出業績は持ち直すどころか成長に転じたとはいえ、染め物糊( 友禅糊) 一筋だった会社が全くの新規分野に参入しても成功する可能性は低い。
現在ある設備・ノウハウを活用して何か出来ることはないかと考えた末、化学糊の方面に進出を決意し、その道の専門家をたずねて勉強し、会社には研究開発室を設置し、自分でも研究に没頭した。

化学糊は配合を変えると色々な用途にあった製品が出来るため、お客様のニーズに合った製品を生産し、海外を含め様々な地域に対して販売した。販売する商品も染色糊だけでなく、機械設備や染料にも手を広げた。その結果、売り上げは持ち直し、新規分野に進出してから10年ほどで年商3億に成長するまでになった。

安い外国製品の壁が、意外な発見をもたらす真の3代目の創業へとつながる
しかし、佐藤社長がそこまで苦労して生産した製品分野にも外国の安い製品の流入という壁が立ちふさがり、再び需要は頭打ちになってしまった。

しばらくの間は安い外国製品を買い付けて国内で販売するという商社のようなこともやっていた。
しかし、ある時、たまたま参加した異業種交流会で、佐藤社長の会社で生産している糊が養殖魚の餌に使えるということを聞いたことが転機になった。

その件について色々調べた結果、現在流通している大手製薬メーカー製の養魚飼料よりも安く製造することが可能であると判断し、昭和61年に現在の業種に参入、その道の専門家である水産大学の教授に顧問になってもらい、実に売上高の10%を研究開発費につぎ込んだ結果、3億の年商が5億、6億、7億と毎年売り上げを伸ばすに至った。

平成2年、もともとの家業とは別に本業種で会社を設立し、代表取締役に就任した。

当時の製品流通ルートはまずメーカーから薬問屋( 一次卸) に製品を卸し、そこから二次卸、小売店を経て漁協に卸し、その後に養殖業者の手に渡る、というものであった。
新規参入組の悲しさで薬問屋が当社の製品をメインに扱ってくれず、せっかくの良い商品も多くのシェアが取れないでいたのだが、ここでも佐藤社長の一大決心があった。

「問屋や漁協を通さず、直売で行こう。この業界は典型的なすき間産業だ。うちのような中小企業が本腰を入れて営業すれば必ず大手に勝てる。商品力にも自信があるし、直売で行けば価格競争力にも勝る。必要なのは営業力だ。大手メーカーは地方の中心都市に営業所があって滅多に養殖業者のところに顔を出さないが、うちは養殖業者の近くに営業所を置き、優秀な営業マンを育てて地域密着の営業をやろう!」

この決意を佐藤社長は次々と実践した。営業マンに営業活動の研修だけでなく病魚解剖などの研修なども行い、簡易な病魚の診断くらいなら出来るように育てた。また、営業所に獣医を配置して、養殖業者に処方箋を出し、病気の蔓延を防止するアドバイスも行った。

各営業所に船を置き、養殖業者の生簀まですぐに行ける体制も整えた。このような努力が実り、今や、業界内で大手メーカーを抑えてシェアはトップ、年商は25億を超えるまでに至っている。

まとめ
成功のポイント
@今の経営資源を活用できる業種を選んだ。
A大手が本腰を入れない「すき間産業」に本腰を入れて挑んだ。
B大手のブランドに対して、「きめの細かいサービス」と「高い訪問頻度」で対抗した。また、それが出来る営業マンを育成した。
C「わからないことはすぐ専門家に聞け」という社長の謙虚さと行動力。
D研究開発にかける金を惜しまず、高い商品力を築いた。

(2006/12/01 速習)

 
■執筆レポート

・提案型営業のツボと勘所
・売れる営業マンをつくる指導法
・ノウハウ活かし事業転換

 
 

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