すでに始まっている!あなたの会社と格付けの切れない関係
最近、そこかしこで「格付け」という言葉を聞きます。あなたの周りでも、「格付けが下がっちゃって、追加の融資がでなかった」とか、「金融機関からの催促が多くなった」などという話を、お聞きになったことはないでしょうか?
事実、中小企業経営者の方には「経営についての評価らしきものということはなんとなくわかるが、特に銀行から何か言われたこともないし、内容についてはよくわからない」という方が多いはずです。また、ある程度正確に「格付け」を算定するためには、細かな財務分析が必要なので、このことがいっそう経営者の興味をそそらない原因のひとつになっていると思います。
しかし、興味があるなしにかかわらず、残念なことに金融機関から融資を受けている人(企業)は、全てこの「格付け」の対象となり評価がされています。そして、そのランクがひとつ変わるだけで、「追加融資を受けるか」それとも、「貸しはがしを受けるか」の立場が決まってしまうのです。
格付けは金融機関からの通知表!
それでは「格付け」とはいったい何なのでしょうか?
これを簡単に一言で言うとすれば、「金融機関から見た、現在のあなたの会社の通知表」ということになります。子供の頃に学校からもらった「5」とか「3」とかいう数字にかわって、経営についての評価がされ、点数がつけられ、そして最終的には「正常先」とか「要注意先」、「破綻懸念先」などのランク付けが行われるのです(表1参照)。

そもそも、格付け制度が定着したきっかけは、バブル崩壊による金融システムの安定の目的のもと、金融庁が不良債権の査定を厳格に行うために、金融機関に対する検査用としてマニュアル(金融検査マニュアル)を作成し、金融機関がこれに習ったのが始まりです。そして、現在では、各金融機関はこれを顧客選別のツールとして利用しているわけです。
格付けの基本とUP対策について
格付けの中身について少々詳しく説明しますと、一般的な金融機関で行われる基本的な格付けの方法としては、まず、対象となる企業の財務内容を分析の上、これを点数化(定量的分析)し、次に、補足的にその企業の財務内容には現れない部分についての評価(定性的分析)を行い、最終的に両方の点数を合計して、格付けを決定の上、最後に「債務者区分」(正常先?破綻先までのいずれかのランク)を決定するのが一般的です。つまりは、『定量的分析(A)+定性的分析(B)=格付け』ということになりますが、ここで注意をしなければならないのは、AとBの採点の比率は同じではないということです。大まかなところで言えば、全体が100点満点ならば「定量的分析」の配点が80?70%程度なのに対し、「定性的分析」の配点は残りの20?30%ほどしか与えられていません。そして、以下の表2からもお分かりになるとおり、各項目においても、項目ごとに重要度(配点の大きさ)が違っています。ここに格付けUPを効率よく行う秘訣が隠されています。つまり、格付けを効率的にUPするためには、「満遍なく努力」するのではなく、「配点の高い部分に絞って集中する」ことが必要となります。

中小企業でもできる格付け判定と具体的なUP対策
しかし、「自分でこんな細かな計算をしなければならないのは、たまらん!!」とお感じの方は多いと思います。そのような方のために、簡単で確実に自社の格付けがわかる方法があります。それはずばり、「取引先の金融機関に格付けを聞いてしまう」ということです。
もし、これを教えてもらえない場合には、表1を参考にして、自分の会社が置かれている状況と比較してみてください。そうすれば、大まかなイメージがつかめると思います。そして、その結果が要管理先以下に該当する場合、または、該当しそうな場合は、特に早急な対策が必要になります。
なぜなら、これらのクラスについては(現状でも融資は出なくなっていると思いますが)、今後は回収先の対象となる可能性が高いからです。なお、今年の10月から信用保証協会の保証割合が、これまでの100%から80%へ引き下げとなる「責任共有制度」が始まるとともに、今後、建設業においては、格付け状況によって入札保証金が免除となる「入札ボンド制」が広く導入されることからも、格付けについての事前の対策が欠かせない状況となってきています。
そして、その対応として必要な初めの一歩が自社の「格付け」を知ることになります。最後に、会社の症状別の「格付けUP対策」をまとめてみましたので、今後の御社の対策にお役立てください。(表3参照)。

(2007/08/01 近代中小企業)