営業マンは聞き手になりお客様の障害となっている内容を自分自身で気づいてもらう質問法が功を奏す傾向があります
セールス・トレーニングの柱となっているのはセールス・プレゼンテーションです。これは今も昔もほとんど変わっていません。
セールスマネージャが日常的に部下に対して行っているOJTに関しては、いかに早く確実に顧客から注文をもらうか、の一点に集中しています。
極端な言い方をすればOFFJTであろうとOJTであろうと、営業パーソン向けのトレーニングはプレゼンテーションとクロージングに限られている、と言っても過言ではありません。そして、この2つの技術に優れている営業パーソンが市場で好成績を上げていました。
昔ながらの営業では通用しなくなったのか?
ところが最近の営業現場を見回してみると、プレゼンテーションとクロージングに強みを持っているだけの営業パーソン(従来型営業スタイル)は、いわゆる優秀営業パーソンとしての地位を他のやり方をやっている営業マンに奪われつつあり、それもソリューション営業の現場では極端な形でこの現象が進んでいます。
それでは新たに優秀営業パーソンの地位に就いた人たち(未来型営業スタイル)のセールスのやり方をつぶさに見てみましょう。
まず、セールスを進めていくプロセスの中に大きな違いを発見することができます。それは、彼らはプレゼンテーションとクロージングに強いのは大前提としてあり、さらにそれらに加えて、相手のことを知るための聞き出し能力、つまりリスニングに優れた技術を持っている、という点があげられます。
プレゼンテーションの前にリスニングがあり、その両者がバランスを保つことによって、適切なセールス・コミュニケーションが成り立つのです。
お客様が何を望んでいるのかを知る
未来型営業パーソンはごく自然にアクティブ・リスニング(積極的傾聞法)を使っており、意識的かあるいは無意識的かは別にしても、このことによって顧客の課題・問題の本質をつかみ、解決するための提案内容の骨子を決めているのです。
その結果として彼らが提示する提案だけが顧客の真の課題・問題を捉えていることによって、ライバルよりも的確な問題解決法を提案している内容となり得るのです。
ここで言うコミュニケーションとは単なる情報の提供と収集ではありません。共感性に基づく心と心が通じた交流であって、正にこれこそセールスにおける理想的コミュニケーション・スタイルと言えるものです。
強引な営業でも好印象になる技
今後、セールス・アクティブ・リスニング(SAL)がセールスの有力な技術として必要性が高まってくるでしょう。
SAL(セールス・アクティブ・リスニング)とは一言で表現すれば聞き手である営業マンの方から能動的・共感的に働きかけ、相手の問題を相手自身に気付いてもらう質問法です。
聞き出す内容は顧客の置かれている現状、将来の目標とそれに到達するための計画、そしてそれらに対する障害となっている内容、そして最も重要なことが「どのような状態にしたいのか」といった点です。
この方法は営業マンが顧客と面談しながら、顧客の課題・問題を顧客自身に気付いてもらうことであり、さらに解決のための提案を受け入れるような態勢を顧客側に準備させようとするものです。
顧客が自分で気づくので、たとえそれが相当強引なやり方であっても、営業マンが提案内容を顧客側に押し付けたという印象は持たれないから不思議です。
セールスとは結局は人と人との関係を基盤に成り立っていることがわかります。
(2006/09/01 速習)