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カウンセラー名: 新田次郎
 
 
 
 

押さえておきたい採用までの流れと注意点
新田社会保険労務士事務所 新田次郎


 

まず一言で採用と言っても意味は多岐に渡ります。募集・採用選考、内定・内定取消、試用期間、採用・採用取消とかなり広い範囲で捉えることができます。採用には法令で制限がかかっているものを除き、判例上(三菱樹脂事件)企業側の採用の自由が認められており、あまり慎重になりすぎる必要はないでしょう。しかし、企業に採用の自由があるとしても労働基準法でいくつかの制限がかかっています。

1番目:『年齢確認の必要性』
企業には雇い入れる労働者の年齢を確認する義務があります。労働基準法では、満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでの児童を雇用することは禁止されています。つまり中学生以下の児童を雇い入れることは禁止されているのです。また18歳未満の年少者については、深夜業(午後10時から午前5時まで)が禁止されています。これらの制限からも年齢を確認することが必要です。

2番目:『有期労働契約期間の上限』
有期労働契約(期間が決まっている労働契約)の期間ですが、従来は上限が1年でしたが、平成16年の改正により3年に緩和されました。よって3年以上の契約を交わすことは原則できません。このことを裏返すと「できる従業員との契約期間は3年交わすのが得策」と言えるでしょう。ただし、3年契約を交わしても契約期間が1年経過した後は、労働者はいつでも退職することができますので、その点も憶えておきましょう。また例外として高度な専門的知識・技術を持つ者や満60歳以上の者との労働契約は上限が5年と読み替えられることになります。このことを踏まえた上で、有期契約労働者の採用を検討することも大事です。この有期労働契約については厚生労働省が基準を出していますので契約締結時にしっかりチェックしておく方がリスク回避につながります。
例えば、あるプロジェクトのため2年の労働契約を交わしていた場合に、1年でプロジェクトが終了した場合は残りの1年は雇用義務が発生します。もし解約する場合は民法上残りの賃金を支払う必要があります。

【有期労働契約基準】
H15.10.22
厚生労働省告示357号)
1.契約更新の有無の明示
2.更新する場合は、その判断基準の明示
3.1年を超えて雇用している場合は雇止めの予告を少なくとも契約期間満了の30日前に行う
4.雇止め理由の証明書を請求された場合は遅滞なく交付
5.契約更新時は契約の実態、労働者の希望により契約期間を長くするよう努力する

3番目:『労働条件』
労働基準法では、国籍、信条、社会的身分を理由として、労働条件について差別してはいけないことになっています。
またこの労働条件は一定の事柄については書面での交付が義務づけられていますので、トラブル回避のために必要です。

4番目:『健康診断』
採用時に健康診断の結果を提出させるのは一般的ですが、適性や職務遂行能力の判断に必要な範囲でのみ行うべきものです。よって合理的な理由がないのにB 型肝炎ウィルス・HIV(エイズウィルス)の検査をさせるのは、就職差別につながるおそれがありますので注意が必要です。

5番目:『戸籍謄本などの提出』
採用時に戸籍謄本・抄本、住民票の写しを取っている場合は「住民票記載事項の証明書」の提出にかえた方がよいと思われます。理由は出身地など本人を判断するのに関係のない内容が記載されているからです。当然ながら収集した情報は、個人情報保護法により目的以外で使用してはならないことも忘れてはならないでしょう。

6番目:『採用内定の取消し』
一般的に採用内定は応募に対する企業の承諾と考えられます。よって取消す場合は、合理性があり社会的に認められる場合に限られますので慎重に行う必要があります。
大まかに採用時に必要な法律知識を並べてみましたが、これで全てではありません。対処が不十分と思われる場合は専門家に相談することをお勧めいたします。

(2006/08/01 速習)

 
■執筆レポート

・押さえておきたい採用までの流れと注意点

 
 

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