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カウンセラー名: 青木勝彦
 
 
 
 

取締役の責任
アオキ経営戦略研究所 青木勝彦


 
取締役の責任が「無過失責任」から「過失責任」に改正されたこと、「みなし規定」の廃止、責任限度額の明確化が主な改正点です。

取締役の責任とは
取締役の善管注意義務/忠実義務の違反が立証されると、取締役には、会社の損害を賠償する責任が生じます。また、故意または重大な過失によって、株主や債権者などの第三者に損害を与えた場合には、その賠償に加えて、解任の正当な理由となります。
取締役が責任を負う際には、次の2 つ場合があります。
@無過失責任⇒故意・過失がなくても賠償責任を負う
A過失責任⇒自己の無過失を立証すれば賠償責任を負わない
商法では第266 条第5 項のみが「過失責任」、その他の項は「無過失責任」とされてきましたが、これについては従来から「厳格すぎる」との意見があり、また平成14 年に登場した「委員会設置会社」では、これがすべて「過失責任」とされていることもあり、新会社法では原則として「過失責任」に軽減されました。

「みなし規定」が廃止されました
取締役の義務違反の有無は、個別の事案に応じて「取締役として会社のために誠実に職務を行っていたといえるか」で判断されます。
まず、取締役会に出席しなかったり、出席しても代表取締役の業務執行を黙認していた場合は、その取締役は誠実に取締役の監視義務を果たしていたとはいえません。
ただし、「問題決議に賛成した取締役や反対の意思表示なしに賛成の署名をした取締役も同罪」という「みなし規定」は、新会社法では廃止されました。

取締役の責任免除とは
前述の「過失責任化」と「みなし規定」の廃止に加えて、各取締役それぞれの責任限度額が次のように明確化されました。
@取締役の責任の一部免除の結果の限度額
イ.原則は報酬等の6 年分。
ロ.取締役が複数いて代表取締役がいる場合の代表取締役以外の取締役については、報酬等の4 年分。
A定款で定める方法
ハ.定款で,会社の業務執行をしない旨を定めた社外取締役については、報酬等の2 年分。
ニ.複数の取締役と業務監査権限を有する監査役を設置している場合,定款により、当該取締役以外の取締役の過半数の同意をもって取締役の責任の一部免除ができる。
B契約で定める方法
ホ.事前の契約で責任限度額をあらかじめ定める方法を認める。

取締役の旧法および新会社法上の義務
商法265条各項
(1)違法配当等
(2)株主の権利行使に関する利益供与
(3)取締役に対する金銭貸付
(4)利益相反取引
(5)任意懈怠責任(法令・定款違反)
旧法,株式会社・・・(1)から(4)までは原則として無過失責任 (5)は過失責任
旧法,委員会設置会社・・過失責任
新会社法・・過失責任

(2006/05/01 速習)

 
■執筆レポート

・取締役の責任
・<新会社法>そもそも、なぜ大改正したのか?
・分かりやすいCSR第3回「企業の社会的責任」とは何か
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