営業マン教育の考え方は会社の理念をしっかり理解してもらうことから始めよう
営業マンの最も大事な役割は、会社の姿勢や考え方を正しくお客様に伝え、お客様の共感を得た上でその商品を買っていただくことです。
従って営業マンの教育の前に、営業活動ほか会社の活動の芯となるべき理念や倫理観がキチッと整えられていることが大事なのです。
このコアの部分が中途半端だったり全く考えられていない会社ほど、営業マンをただの売り子として扱っているケースが多いようです。
経営トップとして「当社の営業マンはお客様にこんなレベルの接し方をして欲しい」という要求品質が必要
最近、テレビに登場する悪徳企業や強引な営業を繰り広げる会社を思い出してみてください。これらの会社が「当社はお客様にこんなお役立ちをしたい」というキチッとした考えを持った会社かどうかを。
このように社会に対するスタンスがあいまいな会社の営業マン教育は、いかに根性でお客様に迫り、お客様を騙してでも製品を売って成績を上げるというテクニックの教育に終始します。
私はこれまでの自動車会社におけるサービス、営業の経験、またデーラーの社長としての経験から、会社はまずその会社の存在理由となる中核的な考え(理念)をしっかり固め、社員がこの考えに沿って仕事をし、営業マンはこのようにして完成した商品をお客様に届ける、ということが企業の本質だと考えています。そしてそこには当然トップとしての社員に対する要求品質が必要であり、この要求品質があるからこそ、営業マンにどのような力を付けさせるべきかが出てくるのです。
では、具体的に考えてみましょう。
ヒントを与えてくれるのは、ビジネスにおけるリーダーシップの考え方です。ビジネスにおけるリーダーシップは、「統率力」という軍隊流のリーダーシップではなく、『他の人に「影響力」を及ぼしてこちらの考えに賛同してもらう』型のリーダーシップが大事だと言われています。
私は、モノを売るという行為はまさにこれと同じで、お客様に会社や商品の主張や考え方に賛同してもらうことによって初めてそこにモノを買っていただけるという行為が生じると信じています。そして、こう考えると営業活動にも「影響力を及ぼすリーダーシップ」と全く同じ要素が要求されることになります。
ところで、この「影響力を及ぼすリーダーシップ」を発揮するには何が必要なのでしょうか?
キーになるのは次の3つの要素
(1)その人の言うことに、他の人を「なるほど」と思わせる「共鳴性」があること。
(2)その考えを他の人に正しく伝えられる「伝達力」があること。
(3)その人の話を聞こうとさせる「人間的魅力」を備えていること。
従って、営業マン教育とはこれらを具体的にレベルアップする教育に他なりません。
(1)について言えば、会社の理念や商品の狙い・特徴、お客様のニーズに合った情報等を正しく理解し、論理的に説明でき、そこに共感を得られることです。(この意味で少なくともカタログは隅から隅まで説明できなければなりません)
(2)について言えば、言うべきことをお客様の誤解や怒りを買わずに正しく伝える技術のレベルアップを図ることです。(ロールプレイ等がこれに相当します)
(3)について言えば、これはその人の性格や人格に左右される面も多いのですが、教育面では人前でのマナーや服装、自己啓発による教養の向上を図るということになるでしょう。
これらに対して会社としての要求品質をできるだけ具体的に定め、営業マン各自がそれを上回るレベルを目指して努力するようモチベイトすることが大切です。
(2006/09/01 速習)