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カウンセラー名: 並木由紀雄
 
 
 
 

小さな会社のお客づくりと社員の精鋭化(最終回)
「同業他社よりお客に好かれる会社になる方法のまとめ」
並木労務経営事務所 並木由紀雄


 

小さな会社の生き残りの道は、社長の思いを文書化し、それに基づき社員を教育訓練していくことから始まります。経営者の思い⇒経営方針書⇒経営マニュアル集⇒社員の訓練と評価に一貫性があるとき、顧客の信頼を得てリピートが増えます。リピートが増えるとお客を増やすのに必要な費用をかけずに売上があがるため、大変利益性が良くなります。

(前回まで、市場が縮小するなかでライバルよりお客に好かれる会社になるために経営方針書、経営マニュアル集を作り、それに基づき社員を教育訓練する手順を説明してきました。最終回は、同業他社よりお客に好かれる会社になる方法のまとめです。)

ローテクでお客の要望に答える

経営者の思いと他社との差別化の視点で作った経営方針書、経営マニュアル集は、お客を自社のファンにするからリピーターになります。リピーターが増えると費用をかけずに売上があがりますから、大変利益性が良くなります。どこか儲かるところはないかと費用をかけたものの、大企業や強い企業にやられて撤退ばかりしている企業とは格段の差です。

供給過剰時代の中で、資金と人材などの経営資源の限られた小さな会社の経営戦略は、お客との人間関係力による差別化にあると思います。お客との接点を見直し、ライバルよりも電話や接客の対応を良くし、注文の受け方や納品の仕方、クレームの対処の仕方などをお客様の視点で見直すことが重要でしょう。なぜなら、会社を維持する費用も社員の給与も、お客様が支払ってくれたお金から出ているからです。お客様が減ってしまったら、給与や賞与も減ってしまうし、会社も維持できません。だから、会社の中には色々重要な仕事がありますが、お客活動ほど重要なものはないわけです。

営業マンもお客様の商売繁盛や幸せを心から願い、こちらの商品の方が自社が儲かるということより、お客様の形態ならばこちらの商品のほうが合っているというような視点で常に営業していれば、お客様には必ず伝わります。

今の日本は、大量生産・販売時代が終焉し、高度な付加価値を提供していく時代です。ただ安ければいいといった第一次競争時代から、自分に合った価値を提案してくれるなら高くてもほしいといった第二次の価値競争時代になりました。ですから、社内的にはハイテクで経費節減しながらも、お客様との接点はあえてローテクな人間関係力の強化による差別化が必要ではないでしょうか(表1参照)。

小さな会社は社員の力で売上をあげる

強大な資金力によるシステムや支店、工場数などにより売上利益を押し上げる大企業と違い、中小企業の場合は人の力で売上利益を作っていかなければなりません。社員を巻き込みながら戦略を進めていかなければならないわけです。

経営方針書はお客に自社のファンになってもらうことを重視し、他社との差別化の視点で作ることは、すでに説明してきました。

そして、もうひとつ重要な意味があります。それは、経営方針書が社員に対して「会社の将来性を示す」ことになる点です。優秀な社員ほど自分の家族を大切にします。この会社には将来性がないなと感じると、家族を幸せにできないと考え退職していきます。ですから経営方針書は、将来うちはこういう会社になる、こういう仕事が社員はできるという経営者のメッセージでもあるわけです。会社の未来を示すことは、最大の福利厚生になります。

また、マズローの欲求の五段階というのがありますが、社会が成熟してくると人間の欲求は自尊欲求、自己実現の欲求の時代に入ります(表2参照)。

仕事を通じて自己の能力を伸ばし、人から尊敬されたり自己実現することが社員にとっても幸せにつながります。そして、皆で力を合わせてお客を自分の会社のファンにしていくと、会社の利益性が良くなりますから、当然給与や賞与も増えて、経済的にも豊かになり家族を幸せにすることができます。

今、新聞などでは景気がいいと言っていますが、大量生産・販売時代が終焉したため、従来型ビジネスから脱却できていない多くの会社では、まだまだ利益は出ていません。社員レベルでも、特殊な技能などがない限り30歳をすぎると正社員としての就職はまだまだむずかしいし、仮に再就職できても給与は前職より下がる人が多いのが現実です。ですから、社員にとっても今の自分の会社を大きくしていくことが、自分と家族の幸せへの近道です。経営者はこれらのことを社員に気づかせてやらなければなりません。

経営者も社員も目標は一緒「お客づくり」です。お客に好かれる活動を皆で力を合わせてやっていくことです。経営方針書と経営マニュアル集で社員の仕事レベルを上げることで、ライバルより3割増しでお客に便利でいい会社にしていってください。そうすれば、きっとお客は数ある中から皆さんの会社を選んでくれるでしょう(図1参照)。

以上6回の連載で「小さな会社のお客づくりと社員の精鋭化」についてお送りしてきましたが、これらに関するご質問は当社ホームページからお問合わせください。

(2007/05/01 近代中小企業)

 
■執筆レポート

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