「初心貫徹」という言葉が好きです。いえ、好きというよりは憧れです。
何事もスタートするのは簡単ですが、それを形になるまでやり続けるのって難しいですよね。特に、私のような好奇心の固まりには至難の業。書道でさえ十年以上のブランクが空いてしまったのですから。
「継続は力なり」。小学校の頃、この貼り紙が廊下にありました。「とにかく、続けてさえいれば形になる」。地味な努力は子供だった私には退屈に思えましたが、それを貫き通せるかどうかは、当初の動機に左右されるということを、大人になってから知ったのです。
実は、私は資格マニア。TOEICやワープロ、簿記など、好奇心にまかせて十以上は取りました。すべて就職のためです。いい会社に就職して、いいお給料をもらえたらラッキーだよね、という下心から。もちろん、役に立ちませんでした。簿記二級に至っては、経理課に配属させられるという噂を聞き付けて、履歴書から消したほどです。スタートしたからには、コツコツ頑張って一級まで取って、プロを気取りたいと思っても、結局、下心は貫徹できないんだと実感しました。
「初心」は、「ういごころ」と読みます。初々しさと下心では、まるで違いますよね。そういえば、書道に関して言えば、「おばあちゃんになったら習字の先生になりたいな」。単純にそう思っただけなのです。次に何かを始める時は、動機が「下心」なのか「初心」なのかを必ずチェックしなければと意を決したのでした。
(2005/07/01 近代中小企業)
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