勝負は、相手がいて初めて成り立つもの。あなたが勝てば、必ず誰かが負けます。他人を蹴落とす闘争心がないと勝負には勝てない? いいえ、他の誰も蹴落とさない勝負があることを、ある体験を通して知ったのです。
それは、展覧会での勝負…。受賞するかしないかは、実はわずかな時間の審査で決まってしまいます。むしろ、出品締切日を迎えるまでの勝負はすざましいものでした。周りの人達がどんどん上達していく焦り、何度書いても納得がいかない悔しさ。
ところが、真の勝負は内閣総理大臣賞をいただいた後にやって来たのです。
「去年よりダメになったな」先生にこう言われるのだけは嫌!
そんな想いが大きなプレッシャーに変わりました。一発屋で終わることは、指導してくれた先生を裏切ることだったからです。今までは、他人に勝つことだけ目指せばよかったのが、これからは己に克たなくてはいけなくなりました。
「まー、こんなもんでいっか」と投げ出さない。たったこれだけの勝負なのに、自分が勝負相手だとスグ挫けそうになります。その代わりに、周りを気にしているヒマがなくなったのです。「己を乗り越えるって、結構忙しい!」そうわかると、勝負って意外にシンプルだということに気が付きました。周りと比較してビビる必要がないんですね。変な嫉妬も消えました。見つめるのは己だけです。ただ頑張る、ひたむきに頑張る…。そういう爽やかな気持ちを得た気がしました。
(2005/10/01 近代中小企業)
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