最近、私の周りには、プチ断食愛好者が増えてきました。一時的に胃を空っぽにすると、体が浄化され、健康を取り戻せるのが主な効果だとか。断食を勧める医師は、一日に三度も食事をすること自体、不健康のモトだというのです。「食べる幸せ」を満喫している私には、ショッキングな事実…。
しかし、このことをきっかけに、ある一句を思い出しました。
「無為にして為さざるはなし(『老子』第四十八章)」
学問を修める者は知識を増やしていくが、道を修めた者は日ごとに知識を減らし、減らしたその果てに無に到達する。健康しかり、書道しかり、ムダをなくすことにゴールがあるという考え方は、あらゆることに通じるようです。
「無」は英語に訳すとnothingnessで、ゼロを意味しますが、老子流においては、もちろんゼロではありません。語源を辿っても、「人が舞う形」とあり、驚くことに有無の無とは何の関係もなかったのです。
この解釈を海外へ伝えたくて、「雑念や欲から守ってくれるもの。無はベストを尽くしたい時に役立つ」こういった英文をつけてニューヨークで作品を展示しました。意外にも、老子のタオイズムは世界平和のために大いに有効と国連で話題になっているとのこと。「シンプル・イズ・ビューティー」。欲を捨てて舞う姿は、とても美しいのでしょう。お正月明けの肥えた体にプチ断食でもと、新しいカレンダーを眺めるのでした。
(2006/01/01 近代中小企業)
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