■会社行事
社員表彰
■永年勤続社員表彰
永年勤続社員表彰の目的
社員の功績を讃え、会社への帰属意識を高める手段として、各企業ではいろいろな表彰制度を実施している。永年勤続表彰は、長期勤続者の会社に対する貢献を他の社員に披露するとともに、会社から感謝の意を示すものとして、表彰制度のなかでも比較的大きな位置を占める。終身雇用、年功序列制度が崩れつつあるとはいえ、わが国の企業ではまだまだ代表的な労務管理の1つにあげられる。ある調査によると、表彰制度をもつ企業のうち、約9割が永年勤続表彰を実施しているという。
一般的には勤続5年、10年といった区切りのよい時期に表彰するケースが多く、表彰状とともに相応の記念品、商品、または現金を授与する。以前は表彰状に時計、銀杯などの記念品を添えるのがオーソドックスな形式だったが、最近は旅行クーポン券、商品券などの、より実利的な記念品が多くみられるようになってきた。
また、リフレッシュ休暇として、永年勤続者に所定の特別長期休暇を与える企業も出てきている。とかく働きバチとなりやすいわが国のサラリーマンに、長期休暇を与えることにより、年休のバランスを取らせ、対外的にも企業イメージのアップに役立たせようという考えが根底にみられるようである。
永年勤続者表彰もここ数年で、形式中心の表彰から実質の伴った表彰制度へと移行しつつあるようである。
■成績優秀社員表彰
成績優秀社員表彰の目的
成績優秀社員表彰とは、会社業務に関連して顕著な功績を上げた社員を表彰するものである。優秀な人材を適宜表彰することで社員に励みを与え、一層の労働意欲の増進を図るのが目的である。表彰の対象となるのは、勤務成績優秀者だけでなく、発明などにより会社の業績向上に著しく貢献した者、あるいは業務に関連した技能コンテストに参加して優秀な成績を収めた者なども含まれる。災害発生時に優れた処理を行った者も同様である。
表彰は、定期的に行われるものと、不定期にそのつど行うものとがある。このうち不定期に行うものは事前に予測できない災害処理時の貢献などで、時機を逸しないためにもスピーディーな表彰が必要になる。定期表彰は年1度の創立記念日に行われるのが一般的で、勤務成績優秀者などを表彰する。
社員表彰は、上手に運用すればさらに社員のやる気を引き出すことができるが、その際に気をつけることは、明確な表彰基準をつくっておくことである。これがないと、人選の段になって選ぶ側の主観が入り込むのではないかと、社員に余計な疑念を抱かせ、社内に悪い影響を及ぼさないとも限らない。公平感を出すためにも、表彰規定をぜひ作成しておくべきである。
事前準備
(1)表彰委員会の設置
まず、表彰委員会を設置する。表彰委員会とは総務・人事セクションの部長クラス数人によって構成されるもので、社長が任命する。表彰に該当すると判断した場合、まず所属長が表彰申請書に必要事項を書き込み、参考資料とともに総務部長に提出する。申請を受け取った総務部長は関係者と意見調整を行い、表彰に適当な場合、表彰委員会へ稟議書を廻す。表彰委員会で表彰が可決されると、最終的に社長のところに書類が回り、決定となる。
(2)規模・内容の検討と決定
成績優秀社員表彰の対象となるのは社員全員または事業場単位で、
1)事業上有益な発明、考案、改良、または工夫などにより、業績の発展に大きく寄与した場合
2)国家的、社会的に優れた功績、善行を行い、会社の名誉を高めた場合
3)市場開拓、売上大幅アップなどにより業績の発展に著しく貢献した場合
4)災害、事故、盗難などの発生を未然に防ぎ、また、損害を最小限度に抑える功績があった場合
5)業務に関連した技能コンテストに参加し、優れた成績を収めた場合
6)勤務成績が優秀で他の社員の模範となるにふさわしい場合
などが、表彰規定に盛り込まれる一般的な表彰の理由である。
しかし、ここに当てはまらないものでも功労があった場合には臨機応変に表彰すべきである。 また表彰は、社長賞と部長・議長賞とに分かれる。部長・議長賞は、業務・社会・安全衛生関係で顕著な功績を残した社員に部長・議長名で贈られる。社長賞とは、きわめて顕著な功績を残した社員が社長名で贈られるものである。
(3)成績優秀社員表彰の種類
《部長・議長賞》
1)業績貢献部長賞
業務上、顕著な成績を収めた。取引先などから感謝を受け、それが際立っている。
2)提案審査会議議長賞
業務改善に基づく提案をし、会社利益の増大に貢献した。
3)工業所有権評価会議議長褒賞
現在までの職務の範囲内で発明されたもので、「工業所有権取引規則」に基づき表彰に値する。
4)社会的篤行部長賞
業務以外で地域社会に貢献し、会社や社員の社会的信用を高めた(たとえば、事故防止行為やボランティア活動など)。
5)中央安全衛生会議議長賞
安全、保険、食品衛生に関し、優秀な成績を残した。
《社長賞(個人)》
1)業績貢献社長賞
業績貢献部長賞、提案審査会議議長賞、工業所有権評価会議議長褒賞、中央安全衛生会議議長賞を受賞した社員のうち、功績がとくに顕著であった。
2)社会的篤行社長賞
社会的篤行部長賞を受賞した社員のうち、功績がとくに顕著であった。
3)特別功労賞
永年、まじめに職務をまっとうし、他の社員の模範となる社員に贈られる(原則的に、受賞対象者は勤続15年以上、年齢45歳以上)。
《社長賞(事業場)》
1)提案優良事業場社長賞
提案審査会会議議長賞を受けた事業場のうち、功績がとくに顕著であった。
2)安全衛生管理優良事業場社長賞
中央安全衛生会議議長賞を受けた事業場のうち、功績がとくに顕著であった。
3)技能コンテスト成績優秀事業場社長賞
事業場を対象に実施する技能コンテストで、とくに優秀な成績を収めた。
(4)表彰スケジュール
表彰は、随時実施するものと、特定の日に実施するものとに分かれる。特定の日とは、創立記念日、○○の日などである。一般的には、提案賞やQC活動賞などは随時、毎朝の朝礼時などに行うケースが多く見受けられ、発明賞は発明の日、安全関連の賞は安全週間、衛生週間など特定日に表彰することが多いようである。
また、創立記念日に表彰されるものは原則的に社長表彰となるが、これは永年勤続社員表彰、成績優秀社員賞、部長・議長表彰のなかでもとくに顕著なものが該当する。たとえば、社員がある発明をして、その貢献が会社の業績に大きくプラスとなった場合、部長表彰のほかに社長表彰で取り上げることになる。
社長表彰になるまでの経過は、部長・議長表彰に選ばれたもののうちからとくに顕著なものが部長会議にかけられ可決されたものが、最終段階の表彰委員会で最終決定を受けるという流れになる。
(5)予算設定のポイント
表彰とともに記念の金品が支給されるが、現金のみとしているところも多い。表彰の種類などによっても違うが、おおむね3社に2社は現金を贈っているようである。額は全員一律のところと、業績を加味して幅をつけているところの2通りがある。
また、現金に記念品をプラスしたり、旅行をプレゼントしたりする企業もある。このような表彰の副賞は年々デラックスになっている。
ここでは、表彰の中心となる提案、功労、発明に対する報奨金の相場についてみてみることにする。
1)提案
製造業での実施が高い表彰だが、多くの実施企業では、金額にランク付けをしている。業務効率化を重視するためか、提案表彰に対する金額は高く、最高ランクで20万〜30万円を支給している企業もある。反面、低ランクの表彰ではガクンと落ち、数百円というところもある。平均では最高ランク5万円弱、最低ランク2,000円弱というのが相場となっているようである。また、一律支給の企業ではだいたい1万〜2万円というところである。
2)功労
比較的現金の支給が少ない表彰で、記念品のみを与える企業も多い。現金を支給する場合でも一律支給の企業がほとんどで、その場合、平均額は1万円前後。ランク付けする企業では、上の平均が5万円、下が1万5,000円といったところである。
3)発明
提案と同じく製造業での実施率が高い。現金支給する会社も多く、金額も大きい。特許、実用新案などに分類して金額を決めているケースもみられ、感謝というより報奨金としての意味合いが強いようである。支給額は1万〜7万円といったところである。
当日の運営
(1)式次第
表彰式は、創立記念式典など祝賀行事の際に一緒に行われることが多いので、表彰式そのものは簡潔な進行にする。
式次第のモデルは、次のとおり。
・開会の言葉
・社長挨拶
・表彰状・記念品授与
・役員(または社員代表)祝辞
・受賞者代表挨拶
・閉会の言葉(続いて懇親パーティーへ)
(2)会場の設営
社員のみで行う表彰式ならば、当然社内で挙行するが、社外の人を招待する場合は、ホテルや商工会議所など外部の会場を借りて行うのが望ましい。
事前に準備しておくものは、次のとおり。
□表彰式の横看板
□社旗
□テーブルクロス
□盆栽(もしくは生花)
□式次第
□表彰者用リボン
□表彰状・記念品
□黒漆塗盆
□白手袋
□丸筒
□記念撮影機材
□BGM・放送設備(マイク、アンプなど)
受賞社員の謝辞モデル
本日は、会社の創立記念日に当たり、優秀社員表彰受賞者の1人に選ばれましたことは、誠に光栄に存じます。今回、私の受賞理由となりました○○○○は、常日頃、社長がおっしゃっているお客様の側に立って、いかによい商品をつくりあげるかというお言葉を肝に銘じて、お客様第一の考えの下にアイデアを出したところ、商品開発部、営業部の皆さんのご協力、ご努力があって初めて完成したものであります。
そうしたなかで、微力であった私が本日、表彰の栄に浴びさせていただきましたことは、誠にもったいなく思いますが、この身に余る光栄を今後の一層の努力の糧にしてまいりたいと決意を新たにいたす所存でございます。
今後とも何卒、従来にもまして同僚、諸先輩方のご指導、ご鞭撻のほどをよろしくお願いしたいと存じます。まことに簡単ではありますが、お礼の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。