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2012年2月20日
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ローテーションで部下の育成・部課の発展

事例 仕事のマンネリ化を配置換えで改善

やる気のない現場…その奥にある部下の気持ちは?

 A課長は、この長引く不況に部下の仕事ぶりが危機感を感じていない気楽な、のんびりした雰囲気であることに以前から気になっていました。
 もっと緊張感をもたせるには、どうしたら良いのか、どうしたら能率を高め、課の成績を上げることが出来るのか。
 幹部会でも、この点についての討議が幾度もなされ、各管理者の課題になっていました。
 いつものように、この問題について総務部長と話し合った時、部長から見せられた部下の意識調査表(これは、毎年1回労務管理の資料にするため、社員各自に提出させている会社の調査様式である)によって自分の部下のうち意外に多くの社員が仕事について不満や訴えを持っていることを知りました。

その内容の主なものは・・・
 ・仕事のマンネリ化を訴えるもの
 ・仕事が複雑で苦しんでいるもの
 ・別の仕事に変わりたがっているもの

 などの消極的、逃避的なもの

 ・もっと広く深く仕事をしたい
 ・もっと勉強して伸びたい

 などの積極的、意欲的なものと、様々な訴えや、希望が書かれていました。A課長は今まで、自分が部下達の外側からだけしかをみようとしなかったこと、部下の本当の気持ちを知ろうとしていた、うかつさに気づき、深く反省しました。
 仕事量が増加するたびに無計画に人手を要求し増員をしてきました。総務で補充してくれた社員を充当配置する際の能力の測定や適正調査が不十分のうちに、直ちに職場に配置しました。職場での教育訓練も特に計画的なものではありませんでした。
 そのために、部下の仕事に対する取り組み方に意欲が持てない結果が生じたものと課長は判断しました。

・課全体の再編成

 そこで課長は総務部長と共に、課全体を、各社員に適している配置を見直しました。
 まず部下の能力、特徴、性格、さらに意識調査表を基に、部下の希望している仕事を一覧表にまとめました。自課の職務(仕事)を分類整理し、仕事の難易度及び、それに必要な人数を割り出し、係長を交えてその意見も入れながら課の再編成を行いました。
 出来上がったものを今までのものと比べてみると、わずかの変更があった程度で済みましたが、この割り振り変更の効果は意外に大きく、部下たちの動きは以前とは全く違ったハツラツとした積極的なものとなりました。
 この組替え、すなわち適所変更で課長が最も苦労したことは、部下の1人ひとりに目的を理解させ、納得させることでした。喜ぶ社員、不満を持つ社員など、色々な反応を示しました。しかし、今までの仕事のやり方を変えて、すべて個人プレイでなく、お互いが連携を取る、即ち仕事の横の連絡を重視しました。互いが教え合い、助け合い、課全体としてのチームワークを持ったやり方であり、その最終責任は課長が持つことを強調しました。その結果、かえって部下達の責任感は強くなりったのです。自分たちは上司から自分を適任者として認められて、この仕事を与えられたのだと、自信を持つことができたのです。積極的に仕事に取り組み、かつ仲間同士協力するようになり、課のチームワークは強化されました。

この事例のポイント

一人一人の特徴を把握する事

・ローテンションをいかに有効にするには

 人間は1人1人違います。管理者はこの1人1人違う部下を知り、共に良い仕事をし、ともに成長する責任を持っています。
 このケースのように、ただ毎日、同じ仕事をしていて、気の緩んだように見える部下達に対して、自分の部門の中でローテーションを行うことは確かに有効な方法です。
 この仕事の振り替えを行う際に注意しなければならないことは、部下が新しい仕事に全く不適当なのに無理に変更することは、本人を無意味に自信喪失に陥らせたり、やる気をなくしてしまう恐れがあります。
 適材適所に配置したと思った部下が、案外自信をなくして無気力となることがあります。これは管理者が部下の上辺だけを見て、本人の能力等を知らなかったためです。管理者は独断で、自分の能力を基本に考え、「これくらいはできるだろう」といった思い込みが部下を苦しめている場合が多いものです。
 この点を注意すれば仕事の割り振りを換えることは部下の育成にもなり、新鮮な気持ちで仕事に取り組め、部課の発展にもなるのです。
すなわち、
 (1)未経験の仕事を与えられることで、本人は緊張し、マンネリが破られる。
 (2)新しい能力が要求され、そのために勉強し、努力することになる。
 (3)新しい人間関係に取り組むことになり、仲間が増え、理解が深められる。


 この結果、管理者は部下を新しい角度から見直すことで、潜在能力が発見され、部下自身も自信を持つようになります。
 したがって、管理者は常に部下をチェックし、能力だけで判断することなく、彼らの潜在する能力をも見定めるようにしなければなりません。

・長所の発見を急げ

 適材適所と一口に言っても、1人1人違う部下に適する仕事を与え、充実感を味わわせるということは並大抵のことではありません。
まず部下を注意深く観察し、彼らとよく接触することです。そして部下の現況や問題点について、詳しく聞く機会を持ち、その「良いところ」を発見する事が第一です。
第2には、その「良いところ」を発揮させる仕事、環境を探すことで、最後に大切なことは、彼らをタイムリーに新しい仕事に結びつけることです。
最後に、今まで述べたことの逆説的な言葉ではありますが、適材適配置とは部下のやりたい仕事をやらせることではなく、与えられた仕事を、やる気にさせることです。

 

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